第二十四回 幸せになる『5つのマジック・ワード』
2018年12月19日
最近は誰かの発言に対して、顔を見せずに批判したり、引きずり下ろすような悪意にあふれた言葉を目にしたり、耳にすることが多くなりました。
一国のトップや立場のある人達でさえ、強い言葉で相手を非難したり、聞くに堪えない様な表現で相手の罵る言葉を発しています。
とても悲しい時代になってしまったと感じています。
このコラムでは何度も書いていますが言葉には“言霊”が宿っています。自分が発した言葉は言霊となって必ず自分の元に帰ってきます。
以前「周りの人達が自分の悪口ばかりを言う」という悩みを抱えた女性からの相談を受けた事があります。
最初は自分が受けている被害の説明でしたが、すぐにその悪口を言っている人達の批判や、最後は関係のない人達への悪口へと話が飛躍していきました。
結局彼女の話の9割は“だれかへの悪口と批判”でした。
「自分が悪口を言われてしまう原因に心当たりがありますか?」
と聞いたところ、彼女は「全くない」と答えました。
人間関係でトラブルを抱えるようになる状況を自ら作り出しているようなものなのです。
人へ悪意ある言葉を発している時点で、自分に返ってくるという運命を受け入れる必要があるのです。
「では全く批判をしてはいけないのですか?」
そんな疑問を感じると思います。批判や批評はすべてNGという訳ではありません。けれど言い方やそこに込める思い、タイミングには配慮が必要です。
例えば自分の愛する人や愛する子供に対して本当にあなたが“何とかしてあげたい”“助けになりたい”と言う気持ちを込めた批判や批評だったら、どんな言い方をしたらいいのか悩みますし、慎重になりますよね。
失恋をしたばかりの友達に「男性をみる目がない」というアドバイスをしたいとしても、失恋直後に傷ついているタイミングで言うようなことはしないですよね。
人へのアドバイスや批評的な言葉を発するときは、慎重になるべきなのです。
最近は対面で話す時間よりSNSを使って文字でコミュニケーションをする時間が増えていますが、文字では一層の配慮が必要です。
このような配慮をした上で伝えれば伝わる可能性は高くなりますが、それでも時間がかかったり、伝わらないリスクを0にはできません。
それほど「相手が望まない言葉を届ける」ということは難しく、リスクが伴うことなのです。
人生は長いようで短いものです。
私の母はとても元気で行動的な女性でした。
小学校の教師を新卒から60歳の定年まで38年間勤めました。定年退職後は大好きな旅行や楽器を習うなど趣味の時間に費やすと楽しみにしていました。けれど、母は72歳で亡くなりました。38年間働いていた時は小さな病はあるものの、入院することもなく元気に過ごし、見た目も若く生き生きとしていた母がまさか定年退職してわずか12年でこの世を去るとは、私達家族一同信じられませんでした。
人生は儚く、そして短い。だからこそ今この一瞬を大切にしなくてはならない。
そんなことを母が自らの死をもって教えてくれたような気がしています。
せっかく与えられた人生が笑顔と幸せが溢れた時間にする為には、人を笑顔にして幸せにする言葉を多く発しましょう。
私はこれらを“幸せを呼ぶマジック・ワード”としてなるべく多く人に対して発する様にしています。小さなことですが、自分が発した言葉は言霊となって必ず自分に帰ってきます。
その”幸せを呼ぶマジック・ワード“は5つです。
うれしい
たのしい
すき
ありがとう
おかげさま
「うれしい」
伝えることで、もっともっと嬉しいことがたくさん引き寄せられてきます。
誰かに何かをした時にもらえる言葉が「ありがとう」ですが、それより「うれしい」という言葉のほうがもっと人を喜ばせる言葉です。
「たのしい」
「うれしい」と同じように、人を喜ばせる言葉です。
氷と雪で閉ざされてしまう地域に住んでいるエスキモー達の冬の遊びの一つに、氷と雪の家イグルーにその集落の子供を集め、遊んでいる姿を眺める、というものがあるそうです。楽しさを全身に表し遊ぶ子供たちの姿は見るだけで大人を幸せな気持ちにします。
「たのしい」という言葉を多く発してみると、楽しい事がたくさん起こるようになります。
「すき」
凄く素敵な言葉です。 どんな褒め言葉よりも「すき」という言葉にはかなわないでしょう。但し、「すき」にプレッシャーを込めたり、要望を入れると台無しになります。
「すきだから、私のことを好きになって」「すきだから、〇〇をして」という様に使わないようにしましょう。ただ、「すき」という気持ちをさらりと伝えるだけが良いです。
「ありがとう」
一日にたくさん多く口にしたい言葉です。私もたくさん口に出すようにしています。また心の中でも、
“天気が良くてありがとう”
“今日も元気に過ごせてありがとう”
“ご飯が美味しくてありがとう”
こんな風に誰かに対してだけではなく、いろいろな事に対して「ありがとう」を感じています。そんな日は一日心穏やかに過ごせます。
「おかげさま」
日本語はとても素敵な日本語ですね。
英語ではこの言葉を正確にあらわす言葉がありません。日本人の感性が現れた言葉です。“ありがとう”と同じように誰かに対してだけでなく心の中でもたくさん感じてみると、同じく穏やかな日常を送ることができる特別な言葉です。
この5つの幸せを呼ぶマジック・ワードを書いたり、感じたり、誰かにプレゼントしてみてください。
きっとあなたのもとに幸せを運ぶ言霊となって帰ってきてくれますから。
著者紹介:西澤 史子
- 1968年生まれ横浜市出身。株式会社ループ 代表取締役社長。
短大卒業後は、在学中に所属していたモデル事務所所属のモデル・MC,TVレポーターを経て某大手電器メーカーの法人営業を中心に13年間勤続後、年間四十万人以上を動員する業界最大手のカップリングパーティーイベント企画会社で、広報及び法人営業統括部長兼専属婚活アドバイザーとしてテレビ番組レギュラーを務め、年間100本以上の婚活企画をプロデュースし、地方自治体への婚活事業コンサルテーションも担当する。
2012年株式会社ループ設立。
コミュニケーションコンサルタントとして、活動領域をダイバーシティ、女性活用と育成、コミュニケーション教育へも広げ、全国で研修・講演を行っている。