第七回 マインド・リセット
2016年6月30日
どんな生き方でも、人である限り悩みや不安は尽きないもの。
私も10代の頃は、それこそ毎日が悩みと不安の日々で、楽しい時間を過ごしても「こんなことをしていていいのか。」と悩み、試練に直面すると「乗り越えられるか。」と不安にさいなまれていました。
大人になればだんだんと色々な事が解決され、悩むことや落ち込む回数が少なるかと思いきや、いくつになっても悩みや不安は尽きないものです。
残念ながら、悩みや不安の原因は、常に根本解決できるわけではないようです。
けれど根本解決できなくとも、「マインド・リセット」をすることで悩みや不安にとらわれ続ける時間を減らし、心の健やかさや安定を取り戻すことができるのです。
誰にとっても時間は有限で価値あるものです。
大切な時間を解決不可能な悩みや不安に費やしたりせず、簡単な「マインド・リセット」で心をノーマルな状態に戻す方法を、2つお伝えします。
一つ目は、『深呼吸』
悩みや不安を感じるのは私たちの脳です。この脳は私たちの体で最も酸素を消費する器官です。その消費量は全体の25%と言われています。
よって、呼吸は、心つまり脳で何かを感じること、考えるという行為に大きな影響を与えているのです。
「深呼吸」によりマインド・リセットした方が良い状況は、『イライラした時』や、『焦っている時』でしょう。
やり方としては、鼻からでも口からでも構いません。
深く呼吸を吸い、細くゆっくりと吐き出しましょう。
この際、吸う時の速さより、吐く時の速さを1.5倍程度遅くします。少しでも長く酸素が体に留まることが大切なようです。
このやり方で深呼吸を繰り返してみましょう。
2つ目は、『瞑想』
私たちは常に何らかの「刺激」に囲まれています。
光や音、香りや味など。睡眠が心の健やかさを保つ意味でとても大切なのは、「それらの刺激から切り離された時間を作る」ことで体を休めるだけでなく、常に刺激を感じている脳を休ませる意味があるからです。例えば、心が病んでくると睡眠がとれなくなり、ますます心が疲弊し、うつ等の症状となることがあります。
睡眠、また「刺激を遮断して心を休ませる事」は、健康に生きていく上でとても重要なのです。
『瞑想』は、睡眠状態を再現するマインド・リセットです。
慣れてくるとそれこそ電車の中でも刺激を遮断して瞑想状態に持っていけるようになりますが、最初は真っ暗な部屋かろうそくの明かり位の部屋で行いましょう。
胡坐(あぐら)の姿勢で背筋を伸ばし、目をつむってゆっくりと呼吸をとりましょう。
自分の呼吸音だけに意識を集中し、何も考えない様にします。
集中しにくいときは、「青空」や「海」などの映像イメージを思い浮かべてみましょう。
胡坐(あぐら)が難しい場合は、仰向けに横になり、両手を身体から少し話し、手のひらを上向きにし、両足を肩幅位に広げた体勢で行うのも良いです。
『瞑想』は、ほんの数分でもマインド・リセット効果が高いです。日常生活に取り入れてみて下さい。
心の健康状態とは、自分自身でもわかりにくいもの。
だから、心に傷を負い、病んでしまうと治るまでに想像以上の時間がかかるものです。そして心の傷や病はちょっとした悩みや不安の積み重ねで作られた弱まった状態の心に、きっかけとなる出来事が起こり、心に傷を負い、心の病と進んでしまいます。
『深呼吸』や『瞑想』などの、簡単な「マインド・リセット」で、悩みや不安が積み重なることはなくなります。
今の時代、悩みや不安を感じない様に生きていくことは無理なことです。
『マインド・リセット』を日常に取り入れ、習慣として使えるようになりましょう。
著者紹介:西澤 史子
- 1968年生まれ横浜市出身。株式会社ループ 代表取締役社長。
短大卒業後は、在学中に所属していたモデル事務所所属のモデル・MC,TVレポーターを経て某大手電器メーカーの法人営業を中心に13年間勤続後、年間四十万人以上を動員する業界最大手のカップリングパーティーイベント企画会社で、広報及び法人営業統括部長兼専属婚活アドバイザーとしてテレビ番組レギュラーを務め、年間100本以上の婚活企画をプロデュースし、地方自治体への婚活事業コンサルテーションも担当する。
2012年株式会社ループ設立。
コミュニケーションコンサルタントとして、活動領域をダイバーシティ、女性活用と育成、コミュニケーション教育へも広げ、全国で研修・講演を行っている。